
この度は第4回君恋BLマンガ賞へのご応募、誠にありがとうございました。君恋編集部一同、心より感謝しております。
今回は、一般部門から準入選2本、期待賞2本を選出しました。
仮想空間での話から、教室の片隅の話まで、様々なシチュエーションの作品があり、投稿してくださった方の意欲を感じました。
受賞者の皆さんの、これからの活躍を期待しています。
該当作品なし
15万円
君恋に掲載確約+担当編集がつきます
ショウは幼馴染のマキトに片想い中。でもマキトは同性で彼女もいる。そのやるせない気持ちをごまかすために、VRゲーム上のお店で、マキトに似たアバターのヨウを指名しつづけていて…。
君恋77(4月1日配信)に掲載されます。 実らない恋を忘れるため、VR(仮想空間)に没頭する主人公がリアルな作品でした。VR上での絡みシーンも、「アバター改変」のギミックが効いていて、さらに確かな作画技術もあいまって、とてもドキドキするシーンに仕上がっています。また、え? まさかマキトって…と思わせるラストも、粗削りではありますがとても洒落ていました。
作品のまとまりという点でリクエストがあるとするなら、主人公が「自信のない」キャラクターであることを冒頭部分でもう少し丁寧に印象づけた方がよかったかもしれません。自分に自信がないから、理想の自分になれる仮想空間上では大胆になれるのだし、リアルでも理想の自分に外見だけでも近づいてから思いを遂げようとするのだし。スタート地点の主人公のキャラクターの描写を丁寧に描いておくと、そこからのどれだけ変化をしたかが分かりやすくなり、作品の力が増すと思います。
これからも、斬新な切り口の作品を期待しています!
15万円
君恋に掲載確約+担当編集がつきます
主人公・光貴は、初めてできた恋人と自分の姉との浮気現場を目撃してしまう。勢いで家を飛び出した光貴は、路地裏で「僕のこと一晩買いませんか?」と腕をつかむ少年と出会い…。
君恋78(5月1日配信)に掲載されます。 浮気シーンを目撃してしまうシーン、謎の少年と出会ってしまうシーンと、立て続けに衝撃的な展開が連続する冒頭は、話のツカミとして秀逸。数ページだけで、読者の興味をひくことに成功しています。また、弱々しかった少年が時を経てイケメンな大学生に育ち、しかも主人公よりも重めな恋の癖を持っていると判明するラストも、これからの2人を想像できてドキドキしました。
恋の「重い」「軽い」が作品のテーマになっていると思うのですが、主人公が重めの恋をする癖がある描写をもっと入れた方がよかったかもしれません。例えば冒頭などに主人公の「恋重めエピソード」が1つ入ると、主人公の行動に一段と説得力が増したと思います。作画面では、人物のフォルムはかっこいいのですが、ディテールが雑に見える部分がありました。細部の作画にまで気を配ると、作品の質が格段に上がるはずです。
これからも、印象的な作品を楽しみにしています!
3万円
担当編集がつきます
主人公・アキがロングにして毎日のヘアケアを入念にしているのは、月に一度の「定例会」で、美容師をしている晴のカットモデルをしているから。晴に思いを寄せるアキは、髪をほめてもらうたびに嬉しい気持ちになっていたのだけれど…。
主人公の感情をひとつひとつ丹念に描いて話を展開させていく丁寧さがある作品でした。分かりにくさもなく、すらすらと読める点が高評価。
しかし、その丁寧すぎる点が、少し話を単調にしているのではないかと思います。このシーンでは髪の毛をケアしていることを読者にわかってもらう、次のシーンではそれが自分のためではないことを分かってもらう…と、1つのシーンにつき1つの役割を持たせる描き方は、丁寧で分かりやすくはあるのですが話が淡泊になりがちです。例えば、この場面では主人公のダメなところを印象づけると同時に、相手役の優しさを見せて好感度上げて、さらに場面転換させよう!といったように、いっぺんに複数の役割を持たせるシーンをひねり出す力も、磨いてみる価値があると思います。
3万円
担当編集がつきます
風邪で休んでしまったため、家庭科実習のエプロン作りを空き時間に行わなければならなくなった兼子くん。先生の代わりに、元手芸部の新見先輩から一対一で手ほどきを受けることになるけれど、新見先輩が手芸部に入った理由に兼子くんは…。
2人の気持ちがどんどん近くなっていく心の描写を丁寧に描けている、読むと優しい気持ちになれる作品でした。読後感も爽やかで、丁寧な作画も高評価です。
ただ、話の構成が少しアンバランスなのが残念でした。新見先輩が叶わぬ恋をしていたことを主人公が知る事から物語が動きだすのですが、そのシーンが物語の中盤以降になってしまっているのです。そこからが読者の読みたいところなはずのに、駆け足で終わった印象になってしまいました。主人公の気持ちが動き出す物語の起点となるシーンはなるべく序盤にはいるよう、プロットを工夫してみる方が、読者を飽きさせない話になるはずです。また、コマワリにもっと思い切りがあってもいいかもしれません。ここぞというときに、大胆な大ゴマをつかって、インパクトのあるシーンを作ることも試してみてください。